マルチスライスCTの導入

image 高機能マルチスライスCTを導入しました。
マルチスライスCTとは、複数の検出器を配置したコンピュターX線断層撮影装置です。複数の検出器によりデータを収集するために、短時間で鮮明な画像を得ることができます。また、収集されたボリュームデータを活用して、多方向の画像を再構成することもできます。全身の検査が可能です。

当院のマルチスライスCTは、被ばく低減技術 AIDR 3D Enhancedシステムの活用により、低線量・高画質を両立します。
検査では、0.5mmスライス、360度回転でボリュームデータを収集して1mm~2mm間隔で画像を作成します。水平断面、冠状断面、矢状断面などあらゆる方向から観察ができます。
また、新たに『 CT肺気腫測定 』『 CT体脂肪測定 』のソフトを導入しました。

CT画像

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検査部位について

頭部 脳梗塞・脳腫瘍・脳の萎縮・水頭症などの先天的な病気を調べます。
胸部 低線量肺がんCTで撮影をします。CT肺気腫検査も同時に行います。
早期肺がんの発見に非常に有用な検査です。
全腹部 肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓から骨盤腔まで撮影を行います。
胸部~全腹部 一度の検査で胸部から骨盤腔まですべての範囲を撮影します。
CT体脂肪測定 内臓脂肪の蓄積状態を調べます。
※超音波やマーカーと組み合わせて行うことにより、より正確な検査を行うことができます

CT肺気腫検査(肺容積計測検査、ラングボリュームメジャメント)について

この検査では、CT画像から肺全体における肺気腫性変化の割合を計測することによりCOPDの程度を評価
します。
今後の生活習慣や生活環境の改善に役立てて頂く検査です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

タバコの煙などの有害な物質が原因で肺に炎症がおこる病気です。
長期間吸入することにより、肺が破壊されてしまいます。
肺胞の破壊が進行する気腫型と気道病変が進行する非気腫型になるものがあります。
症状は、慢性の咳や痰、労作時の息切れです。しかし、COPDの進行はゆっくりです。
そのために、多くの方は、重症になり診断されることが多く、早期の段階での治療が行われません。
近年、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は増加しています。COPDによる死亡者数も増加しています。
当院のCT検査では、低線量肺CT撮影とCT肺気腫検査を同時に行います。
image LAA%:
CT画像における肺気腫性変化領域(Low Attenuation Area)の肺面積における割合。
右肺 上部、中部、下部
左肺 上部、中部、下部 の6か所で測定を行います。
それぞれの合計点により評価をします。
image 画像:
3D画像、冠状段断画像、水平断面画像を作成します。
LAA領域を黄色で示します。




検査の精度を高めるために、前年の計測箇所と同じ部位を計測します。
経年的に検査を行うことで、変化や病気の進行を早期に発見致します。

CT体脂肪検査について

臍部のCT水平断面撮影を行い、内臓脂肪面積の正確な測定を行います。
腹囲測定やBMIでは見逃される可能性がある『 隠れ肥満 』の診断支援を行います。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)

内臓脂肪面積100c㎡の目安で男性は腹囲85cm以上、女性は90cm以上、BMI(Body Mass Index:体格指数)が25以上を基準に血圧、血糖、脂質代謝の3項目のうち2項目があてはまると診断されます。
生活習慣などで蓄積された内臓脂肪が高血圧や高血糖などと相まって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中を誘発します。
しかし、腹囲測定やBMIが基準範囲であっても内臓脂肪が基準を超過している『 隠れ肥満 』の方がいます。

解析について

1. CT横断面から内臓脂肪面積と皮下脂肪面積を解析します。腹囲とBMIは、当日の健診結果を使用します。

2. 解析結果から8種類に状態に振り分けます。
image 皮下脂肪面積(SFA)
内臓脂肪面積(VFA)
体格指数  (BMI)
内臓脂肪
(100㎠以下)
BMI
(体重÷身長×身長)
腹囲
(男性85㎝以上女性90㎝以上)
正常
正常(W) ×
皮下脂肪型肥満 ×
皮下脂肪型肥満(W) ×
×
内臓脂肪蓄積 ×
内臓脂肪蓄積(W) ×
×
内臓脂肪型肥満 ×
×
内臓脂肪型肥満(W) ×
×
×
3. 検査結果についてのコメントを致します。
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4. 具体的な、内臓脂肪と皮下脂肪を色分けします。

男性に多い内蔵脂肪型肥満
皮下脂肪は少ないが、内臓脂肪が多くみられます。
image 青色:皮下脂肪面積
赤色:内臓脂肪面積






女性に多い皮下脂肪型肥満
皮下脂肪は多いが、内臓脂肪はそれほど多くはありません。
image 青色:皮下脂肪面積
赤色:内臓脂肪面積



検査の精度を高めるために、前年の計測箇所と同じ部位(臍部)を計測します。
経年的に検査を行うことをおすすめ致します。

医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック
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